Equities

米製薬大手ファイザー、130億ドル市場の新型減量薬で2.9%高

By Bill Bullington

7/11, 08:07 EDT
Eli Lilly and Company
Novo Nordisk A/S
Pfizer, Inc.
article-main-img

重要なポイント

  • ファイザーの株価は、一日投与型の減量薬「ダヌグリプロン」の中期治験発表後に2.9%上昇した。同薬は1300億ドルの肥満治療薬市場を狙っている。
  • 同社は、ウェゴビーやゼプボンドなどの人気減量注射薬に対抗するため、注射不要の経口薬を提供することを目指している。
  • 過去に吐き気や肝機能の懸念があったものの、ファイザーは肥満治療薬市場の3分の1を獲得できると期待している。

ファイザーの減量薬開発

ファイザーは、2023年後半に一日投与型の減量薬「ダヌグリプロン」の中期治験を進める。これは、今後10年間に1300億ドルに達すると予想される肥満治療薬市場に参入する同社の戦略の一環である。同社は、ノボ・ノルディスクやイーライ・リリーが製造する人気の減量注射薬ウェゴビーやゼプボンドに対抗する、注射不要の経口薬の提供を目指している。

ファイザーの錠剤に使用される化合物は、すでに承認されている減量注射薬と同様のものである。この発表を受けて、ファイザーの株価は早期取引で2.9%上昇した。同社は、この錠剤が最終的に肥満治療薬市場の3分の1を獲得できると期待している。ただし、同分野での過去の課題もある。昨年末には、約1400人を対象とした中期試験で高い吐き気と嘔吐の発生率が原因で、1日2回投与型のダヌグリプロンの開発を中止した。さらに、別の経口肥満治療薬も肝機能への影響が懸念されて開発を断念した。

競争環境

ファイザーは、ノボ・ノルディスクとイーライ・リリーが主導する競争の激しい分野に参入する。両社はすでに第3相試験の経口減量薬を持っている。イーライ・リリーの週1回注射薬ゼプボンドは米国で承認され、ブロックバスター売上が期待されている。アストラゼネカやストラクチャー・セラピューティクスなども経口肥満治療薬を開発中だ。

ファイザーの1日1回投与型ダヌグリプロンは、20人を対象とした小規模試験で4用量を検討し、最適な用量を特定した。同社は、肝機能の懸念から別の1日1回投与錠剤の開発を断念した後、この製剤に注力している。初期試験結果では、1400人を超える健康成人ボランティアで肝酵素上昇がみられず、過去の1日2回投与試験と同様の安全性プロファイルが示された。

財務的な背景

ファイザーは、パンデミック後の売上減少を補う新製品を模索している。同社の売上は2024年第1四半期に20%減少し、Covid-19ワクチンと治療薬の需要が落ち込んだ。今年の業績予想は、ウォール街の予想を大幅に下回った。RSVワクチンの成績も振るわない。この1日1回経口肥満治療薬は、ウェゴビーやオゼンピックとして販売されているノボ・ノルディスクの大ヒト注射薬セマグルチドの効果を模倣するよう設計されている。

この製薬大手は、肥満治療薬市場での競争では遅れをとっている。ノボ・ノルディスクとイーライ・リリーは既に自社の経口減量薬の後期試験を行っており、イーライ・リリーのゼプボンド注射薬は大きな売上が期待されている。こうした課題はあるものの、ファイザーは1日1回経口薬が市場の大きなシェアを獲得できると期待している。