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世界の石油需要、中国の回復鈍化で2022年第2四半期に71万バレル/日と最低に

By Mackenzie Crow

7/11, 07:59 EDT
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【主なポイント】

  • 2022年第2四半期の世界の石油需要成長率は71万バレル/日と、2022年末以来最も低い水準まで減速した。これは中国の経済回復が減速したことが主な要因。
  • 原油価格が1バレル85ドル前後で推移しているにもかかわらず、IEAは第4四半期に在庫が均衡し、来年にはサープラスに転じると予想している。
  • 長期的な見通しでは、経済要因や電気自動車の普及により、この10年中に世界の石油需要が頭打ちになる可能性がある。

【世界の石油需要の減速】

国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の石油需要の伸びが1年以上で最も鈍化している。IEAの最新月報によると、第2四半期の世界の石油消費は前年同期比わずか71万バレル/日の増加にとどまり、2022年末以来最小の伸びとなった。これは主に中国の経済回復が減速したことで消費が微減したことが要因。IEAは2024年および2025年の世界の石油需要が年間100万バレル/日未満の増加にとどまると予想している。

IEAのレポートによると、この需要の減速は、米国やその他の米州からの供給増加によって十分に賄われている。その結果、世界の在庫は5月まで4カ月連続で増加し、2021年半ば以来の高水準に達した。IEAは「世界の石油需要は減速し続けている」と指摘し、「中国の消費が縮小したのは、同国の経済回復が一巡したためだ」と述べている。

【業界関係者の見方の相違】

IEAの悲観的な見通しとは対照的に、トレーディングハウスや大手銀行など、他の業界関係者は消費に対してより楽観的な見方を維持している。原油価格はロンドンで1バレル85ドル前後で推移しており、ドライビングシーズンの需要増加が在庫の減少を後押ししている。しかし、IEAの推計では、この強さは持続しない可能性がある。

IEAは、サウジアラビア主導のOPEC+が増産計画を実行しなくても、第4四半期には在庫が概ね均衡すると予想している。そして、来年の大半は供給過剰に転じると見ている。IEAは「夏の暑さが去れば、より冷めた傾向が支配的になる」と指摘し、「低調な経済成長、効率性の向上、電気自動車の普及」が需要の穏やかな伸びの要因だと分析している。

【市場の反応と価格の動き】

原油価格は2日連続で上昇し、IEAの悲観的な需要見通しに反して推移している。ベンチマークのブレント原油は、水曜日の0.5%上昇に続き、1バレル85ドル超まで上昇した。これは、先週の米国の原油在庫が340万バレル減少し、夏の旅行シーズンで燃料油や ガソリンの消費が増加したことを受けてのものだ。

原油市場の上昇は、世界株式市場の上昇に呼応したものだ。米国株式は、FRBの利下げ期待に影響を与えかねない物価指数のデータを控え、新高値を付けている。原油価格は今年、OPEC+の減産策に支えられてきたが、価格変動は比較的穏やかで、市場のボラティリティーは数年来の低水準にある。主要産油国ロシアも6月に大幅な減産を行ったが、一部のOPEC+加盟国は合意目標を上回る生産を続けている。

A/Sグローバル・リスク・マネジメントのリサーチ責任者、アーネ・ロームン・ラスムセンは「原油にとっての大きなイベントは、他の市場と同様、FRBの利下げにつながる可能性のある9月の米国CPI発表だ」と述べ、「IEAのレポートは、第3四半期の需要が一部の見方ほど強くないことを示唆している」と指摘した。

【業界関係者の見方】

  • 国際エネルギー機関(IEA)(世界の石油需要に悲観的):

    「世界の石油需要は減速し続けている。中国の消費が縮小したのは、同国の経済回復が一巡したためだ」

  • BP社(長期的な世界の石油需要に中立的):

    「需要のピークは来年にも到来する可能性がある」